X-BOX360のACアダプタについて考える
仕事が電源から離れたとたん、電源らしい話題ですが(苦笑)
巷で話題のX−BOX360の異常に大きなユニット2とも言うべきACアダプタについて考えて見ましょう。
PC Watchのハードウェアレポートでは、『電源重視の姿勢が見える』と出ていたりするわけですが。
…私から見たら、電源軽視の姿勢がありありと見て取れる、だったりします。
ACアダプタというのは、衝撃などが加わることなども考慮する必要があるものですが、そんなものに冷却ファンを内蔵させている時点でACアダプタとしての存在意義を無視したものと考えます。
まぁ、そんな感想はとりあえず脇において、このような構成になった経緯を想像してみましょう。
まず、考えられるのが筐体内のスペースに無理があった、というもの。
デザインありき、で開発が進められるものにはよくある話ですが、どーしても本体としてはこのサイズ内に収めたい!という上層部の強い意向がある場合に、電源を外に出せば…などと場当たり的な発想からこのような構成になる可能性があります。
同時に、電源からの発熱を嫌って、というケースもあるので、たいていはその両方の組合せだったりするわけですが。
で、単純に電源での発熱量がどの程度か、ということを考えてみましょう。
公称の最大消費電力が254Wのようなので、本体が消費する電力を254Wと仮定してみます。
アダプタの出力が254Wとすると、アダプタの回路方式はスイッチング電源にならざるを得ません。
その場合アダプタの効率は、どんなによく見積もっても80%を上回ることはありません。
一般的なレベルで考えると良い方と仮定して75%程度ではないでしょうか。
とすると、電源での発熱量は、電源の回路としてロスしている電力と等しいため、254÷0.75としてAC側でのトータル電力を算出し、その値から実際に出力している254Wを引くことで算出できます。
(254/0.75)−254=338.666…−254=84.67W
と算出できますね。
どのくらいの熱が出るのかに関しては、裸電球をイメージしてください。
単純に30Wの発熱が30Wの裸電球一個だと思えば理解しやすいと思います。
少しでも放熱を考えたい本体としては、84W以上の発熱量は外で対処できれば助かるものです。
…これだけで終わってしまうと、きっとつまらないと思いますので(笑)、斜め方面からこの話を穿って見てみましょう。
だって、その方が面白いでしょ?(笑)
で、穿った見方をしてみます(笑)
まず、電源部分をアダプタのように本体から外に出すことでどんなメリットがあるか、という点を考えて見ます。
一番のメリット、それは『電源部分だけでの交換が可能となる!』です。
…何か思い出しませんか?
X−BOXでのリコールがまさにそれですね。
そう考えると、リコールの時に発生する費用が馬鹿にならない、と学習したとも取れるわけです。
が、更に裏の視点で見てみましょう(笑)
学習したとは言っても、それはリコールの際の手間を省く、だけであって、もっと突っ込んだことを言えば、『リコールが発生してもおかしくない出来』であることを自ら認めているとも取れます。
本来、正しく学習していたのであれば、『リコールを発生させない』ものづくりに向かうところです。
それを発生を前提として対処しているように見えてしまいます。
何せ、本来ACアダプタというものには入ることのない冷却ファンが載っているくらいですから。
と見てきたところで不良率について発表されているわけですが、それが3%もあるというのは、『問題を起こさない設計』ではなく『問題が起きたときの対処が容易な設計』という設計思想なのだということの裏付けのような気もしてきます。
さて、これは全て実際のものから想像できる内容であって、あくまでも全て仮説です。
どの理由が一番であったのか、それはこの内容を読んだ貴方がご判断ください。