あるアナクロ技術者の日常のひとコマ

あるアナクロハードウェア技術者のちょっとした日常など

会社でのこと

昨日のこと。
EMCなんて言葉、知ってる人は知ってるんだが、一般的にEMCサイトでの試験なんかやってる人が使う言葉。
電子機器では、不要な電磁波を出している。規制値も決まっているので、それを正確に測定する認定サイトが必要。そして、私は社内とは言え認定サイトの試験所機能を持った部署にいる。一応、第三者機関としての位置づけになる。
ただ、それ以外に、私のいる組織では、設計にフィードバックする役割も持っている。そちらの方がメインのお仕事。
本来、試験所と設計は明確な分離が望ましいが、悲しいかな、弱小部門は人手が足りないんだよ(苦笑)
まぁ、そんな話はともかく、急遽測定したい、との依頼があって昨日の定時後に測定対応をした。
そこに部品変更に伴う差分確認を行うために、測定装置を持ってきた開発部門の若者。いざ測定してみると、想定していなかったところにノイズが見える。
「あ、多分この辺のフォーミングが影響してるよ。微妙なところだとは思うけど、チェックしてごらん」
「この号機、動作確認してもエラー補正多い気がしていたんですよ」
「その感覚は大事にした方がいいよ。なんか変だな、と思った時には、どこかに問題が隠れているものだから。それが上手く説明できないから、変だな、という感覚になるんだし」
そんなやり取りしつつ、別の号機で確認してみると、想定通りの結果。
元の号機も指摘部分が微妙に違っていたようで、見直したものを再測定すれば、想定通りの結果が出ることもわかった。
ということで、該当部品の付け替えして比較データとろう、とした時のこと。
動作確認したところで、彼が一言。
「すみません。なんか変なんで、変更したところ、もう一度チェックします」
そして作業台に持っていって半田付け作業を始めた。
…彼は、きっと今後急激に成長するよ。間違いなく。人のアドバイスを素直に受け入れ、自分で消化して短時間でモノにしている。こんな若い世代が部下に欲しいなぁ、と心底思った。
ただ残念なことに派遣で来てるというオチがある。彼を正社員採用してくれないかなぁ…こーゆー若者なら、育て甲斐があるじゃないか。そんなことを思った日だった。