あるアナクロ技術者の日常のひとコマ

あるアナクロハードウェア技術者のちょっとした日常など

紹介文

私のmixiでの紹介文見ると、大抵「電源のえらい人」だとかそれに類すること書かれてますが、そんなに大したことできるわけじゃありまへん(苦笑)
一般的なレベルでスイッチング電源がどんなもんか理解している程度なので、えらいってほどでもないんですが…


まぁ、それでも、電気の基礎を知らない人よりは詳しいのは事実なので、そんな私が過去見かけたダウトネタを。


以前、Linux系雑誌(月刊誌)の連載記事に、以下のような記事があった(数値は記憶が曖昧なので適当)。
「100WのAT-X電源では、一般家庭の電圧は100Vなので1Aの電流が必要となります」
これ、思いっきりダウト。それも二重の意味で。
電気の基礎が分かってる人なら一発で理解できると思うのですが。
一般家庭に入っているのは交流100V。PC自体が必要なのは直流電源。
直流の電力はWと記載するし、交流も電力はWと記載するのは事実ではあるが、交流の電力は電圧の波形と電流の波形が完全一致した場合に初めて電圧×電流になる。
…が、実際には完全一致することはあり得ないので、そこで波形のずれを補正する必要があり、交流の電力計算式は電圧×電流×力率となる。
なので100Wだから1Aは絶対に成立しない。
更に100WのAT-X電源というと、100W出力可能、という意味だと考えると…
となると、入力が100Wなんてことは絶対にあり得ない。
というのは、電源自体が交流から直流に変換しているので、変換に伴うロスが必ず発生する。
なので、100W出力の電源であれば、変換効率を75%としたら入力電力=出力電力÷0.75=133.333…Wとなる。
ここで力率を0.9と仮定すると、入力電流は以下の式で表される。
電圧×電流×力率×変換効率=100Wなので…
電流=100÷0.75÷0.9÷100=1.48A
変換効率と力率に関しては、かなり一般的な値を入れたつもり。
というのは、75W以上であれば力率改善が行われるので力率は0.9程度になるから。
これが75W以下のものであった場合、力率は0.7くらいになると思うので、電流値はもっと大きくなる。
変換効率の方は、だいたい出力電力の変動幅とか考えると、この辺が妥当だろう、という数値。


と、まぁ、電気の基礎が分かる人なら、理解できるであろうダウト話しかできないので、全然電源のえらい人じゃないっちうことで…


…って、電気系卒の人ならわかってくれるよね?ね?(汗;)